薔薇とサムライ2
先日、久しぶりに歌舞伎以外の演劇、劇団新感線の「薔薇とサムライ2」を観てきました。以前観た新感線の「蛮幽鬼」が面白かったし、同じ中島かずき作、いのうえひでのり演出なので、これは間違いあるまいと思ってチケットを予約しました。劇場が新橋演舞場、松竹歌舞伎会に入っている関係で、チケットは3階1番前という良い席が簡単にとれました。でもこれはちょっとしたプラチナチケットだったらしく労せずとれたのはラッキーでした。そして、プラチナチケットを裏切らず、とても面白かったです。6日大千秋楽だったので、もういいかなってわけで、以下少々ネタバレありです。
「薔薇とサムライ2」とあるので、前作の後日譚という内容らしいですが、前作をみていなくても十分楽しめます。
ヨーロッパのとある小国コルドニア大国の女王となったアンヌ(天海祐希)が隣国のソルバニア国の女王マリア・グランデ(高田聖子)が、あの手この手で、近隣の各国をのっとって併合しようとたくらむのを、阻止する。それにアンヌに会いに来た五右衛門(古田新太)がからんで、歌あり、ダンスあり、立ち回りあり、そして大音響の音楽ありの大娯楽劇というのが、ざっとした内容です。そして、その中に侵略、戦争、戦争への嫌悪など、ウクライナ闘争を思い出すようなところもあり、おもしろさ、楽しさの中にちょっとした風刺を含んでいるのにも、脚本、演出の秀逸さがみてとれます。
休息をはさんで3時間半、展開がはやく、これでもかと楽しませてくれるので、ずーと飽きることなく楽しくみていられました。ハードとしての舞台はそれほど凝っているわけではないけれど、映像と照明を存分につかって迫力のある展開にしています。映像は舞台全体に映し出すことが多く、照明は、舞台から客席に向かって直線的に照らしたりもするので、3階1番前の席は、全体を見渡せて、値段以上の特等席だったかも、松竹歌舞伎会に入っていてありがたやーって感じでした。
そして、特筆すべきが天海祐希さんのかっこよさ。セリフもきれいではっきりしているし、何といっても怪盗紳士の燕尾服姿の歌とダンス、本当に素敵でかっこよかった。劇場の雰囲気も登場と同時に一瞬のうちに変わって、客席からため息が聞こえるようでした。これ宝塚時代からの天海祐希さんのファンはたまらないだろうなー。宝塚の底力をみたような気がします。
絶対に実際に舞台でみるべき演劇です。舞台演出もふくめて楽しさが全く違うはずです。コロナで控え目にしていた観劇だったけど、ますますいろいろ行きたくなってきました。
それほど興味がなかったはずの宝塚もみてみたいなぁなんて思ったりして、天海祐希さんすごい。
今週の展示は「2nd PARTY」、レザークリエイターのFIELD EDGE DESIGNZ.(通称fedz.)の、2022年東京個展です。いつもながらのハイクオリティの革製品に加え、今回は革製素敵イヤリングもあります。
作家の代表作の、細かいディテールと細工のライオンのリュックは、売約済なので、今回の展示で見納めです。是非お越しください。13日まで。